三重県の小学生からの手紙をきっかけに、gumiでは「ゲーム制作という仕事」をお伝えする授業を、送り主の小学校でオンライン開催することになりました。小学生に授業をするなんてgumi初めての取り組み。Studio FgGスタジオ長・執行役員である宮川を中心に、3人の社員が「先生」となり、授業を行いました。授業が決まるまでの経緯と授業当日の様子、授業では伝えきれなかったgumi社員の想いをレポートします!
三重県の小学校から1通の手紙
2月のある日、gumi宛てに1通の手紙が届きました。
三重県の、ある小学校から、先生の添え状とともに一人の児童が書いたお手紙が同封されていました。
「ゲームが好きでゲームプランナーになって面白いゲームを考えてみたい」
「何歳からゲームプランナーになれますか?」など、そこには、ゲームプランナーになるための、質問がいくつも書かれていました。
小学生からこういった手紙が届くのは初めて!
gumiとしてもこんな熱い気持ちに応えたい!
スタジオメンバーにアンケートを取ると、熱いアドバイスが集まりました!
Studio FgGスタジオ長の宮川は、添え状に書いてあった小学校に連絡してみることに。
授業に向けて準備
手紙だけでは伝えられない表現があるので、直接、送り主にお話出来る機会を作っていただけたら、と先生に連絡してみると、なんと授業の提案が!
将来の夢・職業を考える総合学習の時間内での授業とのこと。
そうと決まったら、最高の授業にしたい!早速先生と打ち合わせを重ねました。
オンライン授業となるので、スライド作りに注力。
子供たちが何を知りたくて、どう伝えたらよいか、初めての試みに楽しみながらも試行錯誤。
ゲーム制作が具体的にどんなことをするのか、そして、どんな仕事の可能性が広がっているのか、ゲームの世界に興味の無い児童もいる中で、ゲームプランナー以外の仕事なども紹介して、少しでも人生のヒントになってもらえるような授業になることを目標にしました。
いざ授業当日
ドキドキの授業当日。
パソコンの向こうには、4年生(授業当時)、学年全員がカメラの前で待っていてくれました。
gumiからは、宮川、福岡拠点長の森田、ゲームプランナーの藤田、の3人が参加。
3人が小学生だった時の将来の夢の話から始まりました。
宮川は野球選手。森田はサッカーのゴールキーパー。そして藤田はゲームクリエイター。
藤田は小学校高学年のときの作文にも将来の夢として書いた記憶があるとのことで、当時からの夢を叶えて今現在ゲーム作りを仕事にしていることを紹介しました。
授業内容
◆ゲーム制作に関わる人たち
そして本題。
ゲーム制作には、ゲームプランナー以外にも、たくさんの役割があり、いろいろな職種が関わっていることを紹介。
UI/UXや3DCGという普段聞き慣れない単語に児童たちは真剣に耳を傾けてくれていました。
◆ゲーム制作の流れ
どういう流れでゲームが作られていくのかについても、手紙の送り主である児童の憧れである、「ゲームプランナー」の仕事を例に挙げ説明。
特に大切だと繰り返したのは、「コミュニケーション」と「面白いゲームを作る」という強い意志。
「多くの人と関わり、管理進行していくプランナーは、ゲームが好きなだけではなくコミュニケーションが大事。一人だけではゲームは作れないので、チームみんなで作っていくという姿勢と気持ちがとても大切です。
まずは人とのコミュニケーションを大事にしましょう。
その上で、面白いゲームを作るという強い気持ちで、どんなゲームが楽しいのか、どんな人がどんなゲームなら楽しく遊んでくれるのかを日々考えることが大切で、それがゲームプランナーの仕事の根幹にもなっていきます。
これらは小学生のみなさんでも、今から出来ますよ」
と宮川はメッセージを送りました。
◆ゲーム制作にまつわるクイズ!
さらに児童たちが盛り上がったのは、ゲーム制作にまつわるクイズ。
gumiが作るSRPG(シミュレーション・ロール・プレイング・ゲーム)系のモバイルゲームの場合、「一つのゲームを制作してリリースするまでに、何人の人が関わるでしょう?」というクイズには、児童たちも挙手をして答えてくれました。
「3人」「7人」「30人」 多くても30人との予想でしたが・・・
正解は“100~150人”
この答えが出た時、クラスは「えーー!」というどよめきの声が上がり、一斉にメモを取ってくれているようでした!
これには、gumi社員3人も嬉しそう!
また、もう1問のクイズも、難しい。
「ゲームは1本、どれくらいの期間で作られるでしょう?」
答えは、“2~3年”
児童たちの予想は、2か月や3か月、長くても1年という回答だったのでこちらもまた、クラスがどよめきました。
面白いと感じてもらえるクオリティのあるモバイルゲームを作るには、児童たちの想像を上回る、100人を超える人員と、3年もの時間をかけているのです。
◆質疑応答
挙手制での質問タイム。
「どうしてゲームクリエイターになったんですか?」 には藤田が回答。
藤田)子供の頃から大人になるまで、ゲームがすごく好きで、休みの日もいつもゲームばかりしていました。
なので仕事でもゲームに関わっていたかったため目指しました。
「今までゲームは何個作ってきましたか?」には森田が回答。
森田)入社して10年経ちますが、およそ10タイトル。
昔のゲームは3か月で開発出来ていたけど、最近だと2~3年かかる。
これから制作にあたる人は、10年で3本ほどの制作に関わることになると思います。
なかには、小学生らしいキュートな質問も。
「ホラーゲームを作ってプレイした時に怖くないですか?」
これには、宮川も笑みがこぼれました。
宮川)gumiではホラーゲームは作っていないのですが(笑)、自分たちのゲームで、物語が悲しかったりする時は、怖いじゃなくて、自分たちでも感動したりとか、泣いちゃいそうになったりしながら作っています。
質問した児童も、同じようにプレイしながら悲しくなったり辛くなったりするそう。
ほかにも、休みのときの過ごし方については、いろいろなゲームをしたり、運動・睡眠で健康維持に努めたり、アイデアとしてアウトプット出来そうな様々な体験をして過ごす人が多いこと。
子供の頃の過ごし方は、塾や宿題が終わるとすぐにゲームをしている人が多いという声なども紹介しました。
手紙の送り主の声
授業の終わりのチャイムが鳴るまで、質問は止まらず大盛況!
時間がもっとあればと、嬉しい悲鳴でした。
手紙の送り主の児童は、
「ゲームは大好きだけど、それでも知らない世界が見えて興味がもっと湧いた。学校の勉強も頑張らなきゃいけない」と、ゲームプランナーになるために、今自分が出来ることを見つけて一層気持ちが高まった様子。
授業を提案してくださった先生からは、
「ゲーム好きな児童が多いですが、実際には触れたことの無い仕事、まったく知らなかった世界で、ゲームがどう作られるのかという過程を知り、たくさんの人の力のおかげで自分たちはゲームを楽しむことが出来るのだと、知ることが出来ました。なかでも、ゲームプランナーさんたちの子供の頃の夢の話は、児童たちの目線で、とても親近感が湧いたようです。頑張れば手が届くのかも、と思えたのではないでしょうか。東京にある企業までなかなか見学に行く機会が無い中でこういった授業が出来て、貴重な時間でした」
という非常に嬉しいお言葉をいただきました。
授業では伝えきれなかったgumi社員の想い
一日“先生”として初めて授業をした宮川は、「自分で作ったものを世界中の人に届け楽しんでもらうことが出来るのがゲームの魅力であり、楽しいところでもありますので、この授業を機に、将来、夢として持っていただければ嬉しいです」と締めくくった。
あっという間の45分間。
ここでは、さらに、gumiゲームプランナーたちから、ゲーム制作を目指す子供たちへ授業で伝えきれなかったメッセージを、最後に一部ご紹介します。
- いろんなことに興味を持ってください。そしてその中で自分が思った「楽しい」を探してみてください。その「楽しい」が、面白いアイデアのきっかけになったり、ゲームプランナーとしての大きな武器になったりします。
- 買い物中は、商品に対して自分が欲しいと思ったら、なぜ欲しいと感じたのかを自問自答します。
映画に対しては、作った人はどんな体験を見た人に与えたいのかを考えます。
自分の見たもの感じたものが全てゲーム作りに役立っていると思えるため僕は人生を楽しく生きられていると思います。 - ゲームを作りたいと思った時から第一歩を踏み出しているので、もうゲームプランナーだと思います!今からいろいろと本やインターネットで学んでいけば、たくさんのゲーム開発に携われるようになると思うので、これからも頑張ってください!
おわりに
gumiは、これからもゲーム制作を目指す児童や若者を育成する取り組みに対して、授業等への協力を通じて貢献していきたいと考えています。
小中高専門学校等でゲーム制作を志す人がいましたら、今回のように授業や、セミナー、相談会など、可能な形で交流を増やしていきたいと思います。
※授業を行った小学校名・写真に関しては非公開となりますのでご了承ください。