新卒プランナー研修をレポート!

2024年新卒として東京2人・福岡2人、あわせて4人のプランナーが入社しました!実は、新卒プランナーが入社したのは今年が初めて。そこで、業務の幅が広いプランナーの現場にスムーズに入っていけるように、研修も気合を入れて行いました!2か月に渡って実施された新卒プランナー研修の様子をレポートします!

新卒プランナー研修とは

1か月間の入社後人事研修(※)の後、ゲームプランナー職に配属となった新卒社員は、2か月間の新卒プランナー研修に参加しました。東京・福岡ともにオンライン、オフラインのハイブリッドで研修が行われ、デバッグ研修からスタートし、座学研修と並行して企画の制作・発表に取り組み、プランナーとして必要な知識を蓄えながら実践を通してアウトプットする力を養います。ゲームを遊ぶ側から、作り手・プランナーとしての意識に変革するのが目的です。
(※人事研修についての記事はこちら!)

研修スタート

デバッグ研修

前半は、デバック研修からスタート。
デバッグとは開発中のゲームをあらゆる角度からテストをして、バグの発生状況を把握し、正常に動作するようにする仕事です。ゲーム開発会社の品質管理部門に所属することが多く、ゲームをプレイしながら、仕様書通りに動くことを確認します。さらにテストプレイとして、ゲーム内で様々なプレイを検証し、ゲームがきちんと動くかどうかだけでなく、ゲームの難易度の適切さやゲームバランスも確認します。

実は、プランナーとデバッグチームは非常に密接な関係があります。 
プランナーの仕事のひとつに「マスターデータ(ゲームを動かすために必要な各種定数やデータ)の設定」があります。そのマスターデータをもとに、検証を品質管理チームに依頼をするという連携があるので、実際にデバッグチームの現場に参加して、自らが検証することで、複雑なマスターデータの見方を学ぶことができ、スムーズに実務に入っていくことができる土台が作られます。
また、細分化された手順書をもとに作業にあたるので、ゲームを細かく分析し、多角的に見る力を養うことにも寄与するのです。

実際に新卒プランナーたちは、デバッグチームの指導のもと、手順書と検証用端末を交互に確認しながら、ショップの品物が仕様書と実機で合っているか、報酬が受け取れるかなど、丁寧に検証して普段は見ることのないゲームの細かいデータの関連性まで理解を深めていました。

座学研修

後半は、gumiの歴代のゲーム開発を最前線で支えてきたレジェンドプランナー安永紀和氏(フロイデ株式会社 執行役員)からの1か月に渡る講義です。
講義・演習パートとディスカッションパートという2つのパートから成るカリキュラムを学びます。

講義・演習パートでは、
プランナーとして最低限の共通言語や、歴史的な流れなど、基礎知識を身に付けつつ、ゲームを解像度高く見る目を養うことがねらいです。講義の中では、プランナーとして求められる多岐に渡るスキルセットが提示され、自分の現在の立ち位置を把握したり、実際に現在リリースされているゲームをもとに、施策や事業を収益化するマネタイズについて考察するなど、実務に直結する様々なプログラムを学びました。

ディスカッションパートでは、
自分の意見を言語化して、相手の意見をくみ取る力の醸成がねらいです。設けられたのは、Lightning Talks(ライトニングトーク)という、5分程度の短いプレゼンテーションの時間。事前に与えられたテーマに対して、資料を作り、5分のプレゼンをすることで、人前で話すことに慣れたり、短時間で情報を効率的に伝える練習にもなります。プランナーは、実際に各所にプレゼンする機会が多いので、短期間で発表の場数を踏むことでプレゼン能力の向上にも繋げていきました。

ゲーム企画・運用施策考案

-ゲームの企画書作成

デバッグ研修・座学研修と並行して行われたのが企画書の作成です。東京チームと福岡チームに分かれて2か月に渡って企画を考え、プレゼンします。

課題は「IPを使った放置ゲームの企画」

gumiが得意とする放置ゲームエンジンを活用して、指定の他社IPを使ったゲーム企画に挑戦です。一般的には、新人プランナーは短期間でライトなゲームの企画を出す研修がよくあると思いますが、gumiでは違います。将来のgumiを担っていく期待を込めて、gumiの収益モデルの根幹となる大きい企画を2か月間しっかり腰を据えて考えてもらうことを課しました。

本格的なゲームの企画制作経験がない新卒プランナーたちにとって、いきなり“指定されたIPを使う”+“放置ゲーム”という条件付きで本格的なゲームを企画することは、非常に大きな壁となりました。

まずは指定されたIPを知るところから始まり、そのIPを使って既にリリースされているゲームの研究などを行い、限られた時間の中で情報をインプットしつつ企画の方向性を考えていきました。大切なのは、IPのファンの期待に応えつつも、放置ゲームとしてどう楽しませるか。さらには、既にリリースされている同じIPを使用したゲームとの差別化をいかに図るか。随時、相談役のプランナーリーダーがサポートに入りながら、2度の中間発表を通してブラッシュアップを重ねました。

最終発表には執行役員や、プランナーリーダーたちが集まり講評しました。

東京チームは、放置バトルゲーム。ねらいや強調したい部分の見せ方は好評でしたが、マネタイズ部分の不足や、要素ごとの提案はあったが、それが連動していない点が指摘されました。
一方の福岡チームは、放置アクションゲーム。マネタイズは厚く、実際のゲーム画面をイメージ画像などでわかりやすく伝えることができましたが、プレゼン方法としては、情報量が多く説明部分が冗長になってしまうなどの課題もありました。

両チームともコンセプトや市場調査、競合分析など、ビジネス的要素がまだまだ不足している部分はありましたが、リーダーのフィードバックをしっかり反映させ、キックオフ時と比べると見違えるほど内容が整理・充実されていて、企画づくりの成長が見られました。

-運用施策の考案

企画内容が固まってくると、各チームの企画したゲームのリリース後~半年“ハーフアニバーサリー(半周年記念)”までの運用施策もあわせて考案する課題が追加されました。
長年ユーザーに愛していただいているタイトルのポイントは“運用”にあると考えている講師の安永氏。運用の中でユーザーさんを飽きさせずに遊んでもらえることを大切にしてきたgumiの文化の一端を経験してもらうことが、座学で学んだ集大成として相応しいと取り入れました。

ポイントは、月次売上を担保しながら、ユーザーやIPファンが飽きずに長く遊べる定期的なコンテンツを出し、ハーフアニバーサリーなど盛り上がりを作りながら、運用すること。

コンテンツの面白さや売上だけでなく、さらには自分たちが考えた案が、法律に違反しないか、また他社IPという関係上、原作者や版元などの許可がおりる内容だろうか、など市場に出しても問題ないよう調べながら施策を考案していくことも初めての経験。作り手としてプロの洗礼を受けながら試行錯誤を続けました。

そして遂に運用施策の発表です。

まず福岡チームは、半期を通してガチャやイベントなどの施策を実施しながらも、名シーンをイベントとして実装したり、夏休み時期には人気キャラの浴衣や水着の演出で売上最大化を図ったり、半年を通してユーザーのモチベーションを維持しながら収益を安定的に維持していく施策を発表しました。
アニバーサリーイベントの盛り上げ方に課題が残ったものの、原作をしっかり踏襲した上で、原作ファンを大切にした施策を試みている点が評価されました。

一方、東京チームの発表は、アニバーサリー直前2か月~アニバーサリー当月にコンテンツを盛りだくさんにしました。ガチャは恒常的にリリースしつつも直前2か月にはキャラクターの人気投票やアニバーサリー直前ログインボーナス、後半ではオリジナルストーリーを展開し、SNSや友達紹介キャンペーンで盛り上げるなど、直前イベントの連動に注力して、ランキング1位を目指す施策を打ち出しました。
お祭り感が満載でゲーム内だけでなく、ゲーム外のユーザー参加型の人気投票やSNS等を絡めてハーフアニバーサリーの盛り上げに注力している点が評価されました。

2ヶ月に渡る研修期間を無事にやり切り、正式配属後の成果に期待を感じさせてくれる結果となりました。

研修を終えて、新卒プランナーたちの感想

  • デバッグ研修は、配属後すぐに役立つことばかりでした!概要書やマスターデータを見ながら、実機と合っているか検証していくので、自然とマスターデータの知識が増えていくんです。そのおかげで、配属後すぐにマスターデータの入力作業があったのですが、実際に検証で見ていたデータを作る側になったので、「この項目に入れたものがこう反映されるんだ」と理解度が高まっているおかげでスムーズに作業に入れて、本当に良い経験でした。
  • 座学を通して視点が180度変わりました!今まで、面白いゲームを作るには、自分が面白いと思う施策を出していくものだと思っていましたが、違いました。施策を先に打つのではなくて、先に解決したい課題(例えば、継続率を上げたい、ユーザーに不足しているアイテムを配りたいなど)を解決するためには、どんな施策を打つべきかを考えることが、結果的にユーザーの満足度が上がりゲームにとってもプラスになる。つまり手段と目的が逆だったんだと気づくことができました。実際の現場でも、そういった発想でみなさん動いているのを感じるので、そこに気づけたのは本当に大きな収穫でした!
  • 企画を通して、自分たちだけの視点では気づけないことが多かったです。特にお金まわり。ゲームを作って売った経験がないため、お金の感覚がいまいちわからない中、収益面も考えなきゃいけない。よくあるガチャとかスタミナの回復にユーザーさんがお金を使うことは、自分たちのプレイ経験の肌感でわかっていましたが、それだけでは足りないそうで、自分たちが普段課金しない部分などでのマネタイズを考えることが大変でした。ですが運用施策を担当している先輩プランナーからアドバイスをもらって、マネタイズ部分を意識して発表に落とし込むことができたのは、プランナーとしての一歩を踏み出せた気がします!
  • 今まで個人でゲーム制作してきましたが、個人でIPものを扱うことは絶対にないことだと思うので、いきなりIPを使ったゲームを考えるのは難しかったです。案はあっても、うまく良さを伝えられないことが続き、ゲームのインプット量の不足を痛感しました。相談役のリードプランナーのゲームの知識や解像度が圧倒的で、面白さを伝えるにしても既存のゲームの知識があるからこそ、すぐに引き出しがあって 具体案や解決案を出してくださったのが頼りになりました。先輩プランナーは、参考にするゲームがあるとまずはトッププレイヤーになるまでやり込むとの事で、そういった姿勢を真似してインプット量を増やしていきたいです。

担当講師 安永紀和氏より

フロイデ株式会社 執行役員 安永紀和氏

プランナーの仕事はチームみんなで一緒に作っていこうというハブの役割をするのが仕事なので、今回の研修も、私から知識を押し付けるのではなく、彼らと一緒にこの研修も作っていこうという思いで臨みました。その思いを汲んでくれたかのように、彼らは最後の最後まで意見をどんどん出してくれて、モチベーション高く取り組んでくれました。

また、ねらいの1つでもあった「ゲームを解像度高く見る目」もかなり養われたかと思います。ユーザー側から作る側の人間になるので、そこに関してゲームでいう“クラスチェンジ”してもらうための手助けを座学を通して実施しました。その上で、アウトプットの場としてかなり大きめのタイトルを想定した企画を考える経験をひとつやっておくことで、プランナーとしての見方も変わるのではと思いました。本気で会社に企画を通すとなると、動くお金の大きさとか、いろいろな壁があるので、とても大変になる。それを執行役員に見てもらいフィードバックをもらえるというのはなかなか得難い経験だったかと思います。

また運用施策を課題に追加した意図としては、gumiは、サービスとしてしっかりとユーザーさんに長く愛される運用施策を大切にしてきた会社なので、これがgumiの強みであり築き上げてきた部分になります。その経験を伝えることが、自分が教える意義ではないかと思いカリキュラムに盛り込みました。非常に難しかったと思いますが、みんな悩みながらもイキイキした表情で取り組んでくれたので、今後実業務に入っていく中で、この経験が活きてくると思います。この経験ができた彼らの今後の成長が非常に楽しみです。

gumiでは、今後も、配属後のOJTや部門の垣根を超えた研修などを実施して、新卒のみなさんの成長を積極的にサポートしていきます!